知らないカクテル注文への対処方法とは?
聞いたことのないカクテル注文、どうする?
バーテンダーの方で、困るのが、聞いた事もないマニアックなカクテルの注文でしょう。中には、セミプロを自称するような方もあるはずで、辟易する場面もあるのでは?
私は、基本的に、店では、ウンチクをできる限り語らず、カクテルも詳しく知っているとは話していません。そこに重点を置いてしまうと、さまざまな弊害が生まれる事が、分かるからです。
50年以上続いた店で、カクテルも詳しいとなると・・・当然、どのような注文が入るか!想像しただけで、分かります。
一時期は、そうした注文にも、完璧に応えるため、私自身が、カクテルを作っていた時期もありますが、今は、やめています。数年前に、身体の調子が悪くなった事もあり、基本的に、スタッフが、カクテルを作る体制に変えました。
この時、ある日を境に、「私自身は、作りません!」という宣言をしたわけです。当然、ほんのわずかですが、いらっしゃらなくなった方もあります。
バー経営に、知識・技術は必要。でも・・・
私は、知識・技術は必要でも、それだけで、バーの経営が成り立つとは思っていません。
まず第一に、お客様の視点で、考えてみる事。そうすると、何が大事で、何が不要か?見えてくるはずです。
私が理想とするバーには、私にしか作れないカクテルは、必要なかったという事です。あくまで、私の個人的見解。
ですから、もちろん、バーテンダーとして、自分にしか作れないカクテルを、ウリにするバーが、あってもいいでしょう。但し、そこに重点をおけば、マニアックなカクテルへの対処方法を明確にしておかなければなりません。
対処方法も必要だが、もっと大事なこと
対処方法は、いろいろあります。
- メニュー以外は、つくらない!とか
- ネットや書籍で、すぐに調べられるようにしておくとか
- お客様に、直接、味やレシピを聞いてみるとか
いくらでも、対処方法はあります。
そして、その対処の過程で、お客様と会話をする事ができるという事は、接客サービスをするチャンス!聞いた事もないカクテルを注文してくるお客様ですから、それには、いろいろ理由があるはず。
お客様の、本当の要望は、何なのか?それを、きちんと受け止める事の方が、大事です。
聞いた事もないカクテルを、知っているふりをしてまで、提供するのは、最も「愚か」ではないかと、私は思います。