バーテンダーに必要な、真の能力とは?

老舗バー開業コンサルタントです。いつも、ご覧頂きありがとうございます。では、早速・・・

経営を考えた、カクテルの提供
お客様が、注文されるカクテルを提供する。これは、当たり前ですね。
メニューを工夫して、その中から、お客様の好みを提供する。
これも、当たり前ですね。
さらに、お客様、個別のオーダーに応える。
これも、まあ、ある程度、当たり前ですね。
次に、店側の意図したカクテルを、お客様に、思うままに提供する。
経営を考えれば、バーテンダーとして、これが、できなければなりません。
こうお話すると、スピリッツやリキュールをメインに打ち出したポップなどで、特別キャンペーンのような事を、思い浮かばれるでしょう。
もちろん、それも、あり!ですが・・・
お客様に、その意図を気づかれることなく、提供したい飲み物を提供できるようにする事。
コチラの方が、一歩進んだ、提供方法です。
別に、お客様を、騙そうなどといった意図は、全くありません。
誤解のないように。
そうではなく、お客様の好みや性格も含め、その時の状態、他のお客様のオーダーの状況、経営的判断・・・
さまざまな事を考慮したうえで、その場で、最適のカクテルを選択できる能力。
これを、バーテンダーは、磨いていかなければなりません。
バーテンダーは、接客会話の高度な能力も必要
単に、注文通りのカクテルを作っているだけでは、通用しません。
・・・という事は、接客や会話の能力も、磨いていかなければならないという事です。
接客や会話の能力を磨く過程で、相手を判断する能力=洞察力も磨いていく事になります。
最終的に、人間力ともいうべき、総合力を磨かなければなりません。
単なる、カクテル作りのマニアでは、プロのバーテンダーとしては、通用しないのは当然ですね。
お酒の知識、カクテル作りの技術を習得するのは、当たり前です。
それも、本物を学び、それを、自分なりの解釈を加えて、新たに創造できるレベルまで、進化させなければなりません。
数年で、できるものではありません。
その研鑽は、生涯続くと思ってもらった方がいいかも?
ただ、そういった職人気質も必要ですが、それだけでは、お客様をないがしろにしたバーテンダーになってしまう恐れがあります。
何のためのバーテンダーなのか?
「お客様を癒すため!」という大前提を忘れないで頂きたいのです。
どれだけ努力を重ねても、これがプロの味だ!という態度で、お客様に接するのは、間違いだと、私は思います。
お客様の心に、しっかりと向き合う事。
人間として向き合う事。
それが、できるようにならないと、プロとして失格。
もちろん、BARは、学校ではありませんから、四角四面に考える必要もなし。
時に、脱線することだってあるかもしれません。
そして、時に、脱線しすぎたお客様は、排除しなければならない事だってあるでしょう。
実際、お店の品位を、いかに保つかは、店のオーナー次第。
何でも、お客様に迎合しているようでは、お店は成り立ちません。
そして、一本、筋を通した人格を形成すれば、それに見合うお客様が、集まるようになります。
結局、経営者の考え方や行動次第で、店は、変わっていきます。
経営者が「大切にしたい! 絶対に譲れない部分は何か!」
それを、しっかりと定めて、経営者の方は、お店の経営をしていってほしいと思います。
そして、その経営方針は、全スタッフに、共通認識として、伝えておく必要があります。
つまり、バーテンダーに必要な、真の能力は、そのお店の経営方針を、きちんと理解し、それに見合う接客会話をし、お店の意図通りのカクテルなどが提供できる事ですね。